令和3年度活動報告
総論
令和3年度はコロナ禍のなか多くの活動ができず、たいへん歯がゆい思いをした1年間になりました。
そんな中、新発田市の「文化財保存活用地域計画策定協議会」の傍聴や、ワークショップへの参加等で市との連携を深めることができました。一方、「各地区文化財調査」では、各地域の文化遺産の 継承や保存で多くの課題が浮き彫りにされ、行政の厚い支援が必要と感じました。
(1)新発田市文化財保存活用地域計画策定の基礎資料作成のためのワークショップへの参加
1回目:令和3年 7月10日(土)午後1時30分~午後4時45分
2回目:令和3年10月16日(土)午後1時30分~午後4時40分
場 所 :イクネス新発田 多目的室1
参加者が10人前後、3グルーブで「あなたの考える新発田らしさと文化財」をテーマにワークシップが行われました。しかし、参加者が少ないことは大変残念でした。10万都市新発田の文化財について僅か10人の意見だけで方向性を決められることはないと思いますが、なんとか多数の市民の参加のもとで、ディスカッションが行われることを期待したいと思いました。
令和 2 年度第 3 回新発田市文化財保存活用地域計画策定協議会の傍聴 《 参考 》
日時 令和 3 年 3 月 29 日(月) 13:30~15:30
会場 新発田市生涯学習センター 多目的ホール
第3回策定協議会が生涯学習センターで開催され、各地区(自治会・町内会)の文化財に係るアンケート調査について報告が有った。約330自治会中19自治会から報告のみであった。これはアプローチの方法に課題があり、出てきたデータだけでは地域計画策定資料としては難しいと感じました。
(2)歴史図書館企画展・通常展の見学研修会
①【秋季企画展】関谷兵内が描いた新発田藩 【現在は終了しています】
研修会 日時 令和3年11月11日
幕末~明治初年の新発田藩の郡方の役人ですが、彼の作図能力と当時の国際情勢に関する出版物や世界地図の筆写などは必見です。更に新発田藩の農業・治水に関する、貴重な史料を観ることができました。

②令和3年度冬季通常展 明治維新と新発田藩 異国船来航から廃藩置県まで
研修会 日時 令和4年1月15日
企画展開催期間 令和4年1月15日土曜日 から 3月27日 日曜日まで
幕末から明治初年にかけての、ペリー来航などの世界情勢、そして国内の戊辰戦争等それぞれに関わる、実物史料が語りかける郷土の歩みを堪能することができました。

(3)各地区の文化財調査
①熊出集落
実施日 令和3年8月3日
人口約30人の熊出で集落から、明治9年の「村誌」が発見されました。幕末から明治初年の集落の姿がよく分かる貴重な史料です。

②金山集落
実施日 令和3年8月9日
昔の面影を残す金山集落です。村内の古道や石塔は中世を彷彿とさせます。また、金糞(かなくそ)等の地名は古代製鉄の存在を物語ります。

(4)講演会
「 文化財を育む地域の力~郷土の文化財が郷土を元気にする~ 」
講師 奈良大学名誉教授 坂井秀弥 氏 令和3年12月5日 新発田市 健康長寿アクティブ交流センター
新潟市出身の先生は、地域の文化財への慈しみが、わがまちを育むという基本理念のもと、地域文化財の重要性、そしてそれを支える人材の確保と、専門家・行政・住民の三位一体の連携の大切さを、具体的な事例で大変わかりやすく丁寧に提示していただきました。



令和4年度活動報告
令和4年度は昨年同様コロナの関係があり十分な活動とはいきませんでした。しかし、現在新発田市が進めている「文化財保存活用地域計画策定」に沿った活動として一昨年から始めた各集落の歴史文化の掘り起こし活動を継続的に実施し、成果が上がり始めています。
1.新発田市長との懇談と要望 4月6日 10月12日
(1)国内外の文化財新発田に招致できるためには資料館ではなく、博物館・美術館を建設することが重要。
(2)行政組織内に「ミュージアム設立準備委員会」を立ち上げていただきたい。
(3)設立のための資金源として「ふるさと納税」を活用していただきたい。
(4)資金調達の観点からミュージアムを「防災拠点一体型」の施設にして補助金を調達することを提案。
2.「新発田市文化財保存活用地域計画策定協議会」の傍聴 8月24日 11月22日
3.歴史文化講演会の開催
テーマ「ミュージアムの役割と地域の活性化」 6月8日
講師 石原政敏 氏 十日町市博物館 館長
テーマ「日本酒と地域文化のめざめ」 12月8日
講師 平田 大 氏 新潟大学日本酒学センター 副センター長
4.十日町博物館視察 7月14日
5.集落の歴史文化調査と講演
(1)貝塚集落 4月28日
(2)八幡集落 7月28日
(3)松岡集落 8月25日 11月16日
(4)新井田集落 10月30日 12月6日
(5)熊出集落 11月16日
(6)蔵光集落 11月19日
令和5年度活動報告
令和5年度はコロナ明けで、徐々に活動も快復し始めました。
市長はミュージアムの活動の中枢を担う検討委員会を行政組織に設置することを約束しました。
このことは「しばたミュージアム設立推進市民会議の大きな成果です。令和6年度の活動は活気を帯びてくると思われます。
1.新発田市長との懇談と要望 4月17日 市長・副市長出席
(1)しばたミュージアム設立に関する要望
(2)旧新発田憲兵庁舎の保存に関する要望
(3」新発田の文化・観光の推進について要望
2.新発田市議会議員との懇談会 8月1日 (令和会メンバー10名)
ミュージアム設立への諸課題について懇談
3.歴史・文化講演会の開催
【歴史分野】6月4日
テーマ『新発田城発掘調査から分かる中世の新発田』
講師 鶴巻康志 氏 新発田市歴史図書館副参事
【文化分野】
テーマ『お酒と健康 糖尿病の観点から科学する』 9月17日
講師 山本正彦 氏 新潟大学日本酒学センター 特任助教
テーマ『日本酒醸造に関わる微生物の今昔』 12月3日
講師 西田郁久 氏 新潟大学日本酒学センター 特任助教
4.新発田市歴史図書館、特別展・企画展の見学研修会
開館5周年特別展 7月8日
『喜八郎さんからの贈り物』 解説 鶴巻康志 氏 新発田市歴史図書館副参事
秋季企画展 11月18日
『どうしょば秀勝』 解説 鶴巻康志 氏 新発田市歴史図書館副参事
5.郷土の歴史を語る会
八幡集落
テーマ『我が家のファミリーヒストリー』 8月31日
中井地区
テーマ『中井地区の歴史・文化・地名・伝承を探る』 10月28日
令和6年度活動報告